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2025.11.21
【解説】外国人労働者の定着をサポート!「就労環境整備助成コース」活用ガイド

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【解説】外国人労働者の定着をサポート!「就労環境整備助成コース」活用ガイド

近年、多くの企業様にとって外国人労働者の存在は、事業継続に不可欠なものとなっています。しかし一方で、日本の労働法制や雇用慣行に関する知識不足、そして言葉の壁などから、労働条件や解雇に関するトラブルが生じやすいのも事実です。

こうした課題を解決し、外国人労働者が安心して長く働ける職場環境を整備するために活用したいのが、厚生労働省の**「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」**です。

本記事では、この助成金の目的、対象となる措置、そして支給を受けるための具体的な要件や申請の流れについて、プロの社労士ライターが分かりやすく解説します。この助成金を活用し、外国人労働者の定着率向上と、企業の持続可能な成長を目指しましょう。

1.助成金の目的と支給対象となる事業主

なぜこの助成金が必要なのか

この助成金は、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して支給されます。

詳細
【助成金の主な目的】 外国人労働者が直面しがちな「日本の労働ルールの理解不足」や「言葉の壁」によるトラブルを未然に防ぎ、職場への定着を図ることです。

【支給対象となる事業主】 主に以下の要件を満たす事業主が対象となります。

雇用保険の適用事業の事業主であること。

雇用保険被保険者となる外国人労働者を雇用していること。

※特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」を除きます。

認定された「就労環境整備計画」に基づき、定められた措置を新たに導入し、実施した事業主であること。

2.必須となる就労環境整備措置(イとロ)

外国人労働者の「声」を聞き、「ルール」を理解してもらうための措置

詳細
イ.雇用労務責任者の選任 事業所ごとに「雇用労務責任者(※1)」を選任し、掲示などによって外国人労働者にその氏名を周知する必要があります(※外国人労働者がいない事業所を除く)。 また、以下の実施が求められます。

計画期間中に、責任者が外国人労働者と1回以上の面談(テレビ電話可)を実施し、その結果を書面に残すこと。

労働基準監督署など、法令違反があった際に相談できる関係行政機関を案内し、周知すること。

ロ.就業規則等の多言語化 就業規則、労働協約、労働条件通知書、雇用契約書のいずれか(就業規則等 ※2)を多言語化し、期間中に雇用する外国人労働者に周知することが必要です。

「多言語化」とは: 外国人労働者の母国語、または当該外国人労働者が使用する言語を用いて記載することを指します。

3.選択できる就労環境整備措置(ハ、ニ、ホ)

定着促進に直結する3つの選択肢
必須措置(イとロ)に加え、以下の3つの措置のうち、いずれか1つ以上を導入・実施する必要があります。

詳細
ハ.苦情・相談体制の整備 就業規則または労働協約を変更し、社内に「苦情・相談体制」を新たに定めます。その利用方法などを周知し、申請日において継続運用していることが必要です。

※特定技能外国人や技能実習制度ですでに義務付けられている相談体制は対象外ですのでご注意ください。

ニ.一時帰国のための休暇制度の整備 就業規則または労働協約を変更し、通常の年次有給休暇とは別に、**「一時帰国のための有給休暇制度」**を新たに定めます。

要件: 1年間に1回以上、連続した5日以上の有給休暇が取得できる制度であること。

ホ.社内マニュアル・標識類等の多言語化 就業規則等を除く、安全衛生、ハラスメント対策、福利厚生に関するマニュアル(動画含む)や標識などを多言語化し、周知します。

※一時的ではなく、恒常的・継続的に掲示・提示されるものが対象です。

4.最大80万円!助成金の支給額と達成すべき離職率の基準

支給額と「離職率15%以下」の達成が必須要件

詳細
【支給額】 導入する措置の数に応じて加算されます(1制度につき20万円)。

支給上限:80万円

【支給のための最重要要件:離職率の達成】 助成金を受けるには、措置実施日の翌日から6か月間(離職率算定期間)の**「外国人労働者離職率」**が、以下の基準を達成している必要があります。

外国人労働者離職率が**「15%以下」**であること。

(小規模事業所の特例) 期間初日の外国人労働者数が2人~10人の場合、離職者が**「1人以下」**であること。

※ここがポイント 定年退職、重責解雇、在留期間満了による帰国など、やむを得ない理由での離職は計算に含めません。

【その他の重要事項】 計画期間の初日の前日から起算して6か月前の日から計画期間末日までの間に、事業所全体で雇用保険被保険者を解雇(勧奨退職等を含む)していないことも要件です。

5.申請の流れと注意すべき提出期限

計画認定申請と支給申請のタイミング
助成金受給までは、「計画の作成・提出」「措置の導入・実施」「支給申請」の3ステップです。特に期限を厳守することが非常に重要です。

詳細
ステップ1:就労環境整備計画の作成・提出

計画期間: 3か月以上1年以内。

提出期限: 計画期間開始日の1か月前までに提出が必要です。

提出先: 本社所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワーク。

ステップ2:就労環境整備措置の導入・実施 認定を受けた計画に基づき、期間内に措置を導入し、計画通りに実施します。

ステップ3:支給申請

申請期限: 離職率算定期間(措置実施後6か月間)終了後、2か月以内に提出します。

※特例として、責任者講習を受講済等の条件を満たせば早期申請が可能な場合があります。

提出書類: 支給申請書、離職率証明書類、外部委託の領収書など多数。外部への支払いは計画期間内に完了している必要があります。

【社労士からのワンポイントアドバイス】 本助成金は、計画の提出期限や申請期限が厳格に定められています。また、複雑な要件や多くの提出書類(面談記録、多言語化した規則等)の準備が必要となるため、少しのミスで不支給とならないよう注意が必要です。

申請をご検討される際は、ぜひ専門家である社労士事務所にご相談ください。手続きを確実に進め、貴社の外国人材活用をサポートいたします。

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