令和4年度の地域別最低賃金 31円の引上げへ 中央最低賃金審議会の答申
令和4年度の地域別最低賃金 31円の引上げへ 中央最低賃金審議会の答申
大きくメディア報道されている最低賃金の引き上げですが、今日(8月2日)に中央最低賃金審議会が開催され、令和4年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。
答申のポイントは、これまで通り、都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示しており、Aランク31円、Bランク31円、Cランク30円、Dランク30円となっています(図表はクリックして拡大)。今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態 調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申が行われ、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額が決定されます。仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均の上昇額は31円(昨年度は28円)となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。また、引上げ率に換算すると3.3%(昨年度は3.1%)となっています。
なお、報告の中では、政府に対する要望として、以下の通り助成金に関する要望にも触れられています。
「生産性向上の支援については、可能な限り多くの企業が各種の助成金を受給できるよう一層の取組を求めるともに、特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給される業務改善助成金については、原材料費等の高騰にも対応したものとするなど、より一層の実効性ある支援の拡充を強く要望する。
また、最低賃金について、地域間格差にも配慮しつつ、引き上げていくためには、特に、最低賃金が相対的に低い地域において、中小企業・小規模事業者が賃上げしやすい環境整備が必要である。このため、政府に対し、業務改善助成金について、最低賃金が相対的に低い地域における重点的な支援の拡充を強く要望する。」
厳しい環境下で賃金の引上げを行うこととなる企業も多くあると思うので、政府の支援策について今後注視していく必要があるのでしょう。