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2020.01.15
いわゆるパワハラ指針の公布、セクハラ指針などの一部改正

法改正

いわゆるパワハラ指針の公布、セクハラ指針などの一部改正

・事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針
・事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する告示

いわゆるパワハラ指針の公布、セクハラ指針などの一部改正

〇事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)

〇事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する告示(令和2年厚生労働省告示第6号)


★概要のみ紹介


[1]事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(いわゆるパワーハラスメント防止のための指針)


 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第24号)」による改正後の労働施策総合推進法第30条の2第3項の規定に基づき指針が定められた。


 この指針では、職場におけるパワーハラスメントの具体的な内容や、事業主が職場における優越的な関係を背景した言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容等が定められている。


 規定内容のポイントは、次のとおり。


1 職場におけるパワーハラスメントの具体的な内容のポイント


 職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいい(客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。)、個別の事案についてその該当性を判断するに当たっては、当該言動により労働者が受ける身体的又は精神的な苦痛の程度等を総合的に考慮して判断することが必要である。


 このため、個別の事案の判断に際しては、相談窓口の担当者等がこうした事項に十分留意し、相談を行った労働者(以下「相談者」と いう。)の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、相談者及び行為者の双方から丁寧に事実 確認等を行うことも重要である。


 これらのことを十分踏まえて、予防から再発防止に至る一連の措置を適切に講じることが必要である。

2 事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容のポイント


 事業主は、当該事業主が雇用する労働者又は当該事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)が行う職場におけるパワーハラスメントを防止するため、①事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発、②相談(苦情を含む。)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、③職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応などの雇用管理上の措置を講じなければならないとされている。


[2]事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する告示


1 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(いわゆるセクシュアルハラスメントに関するハラスメント防止のための指針)の一部改正


①職場におけるセクシュアルハラスメントの内容について、「性的な言動」を行う者には、労働者を雇用する事業主(その者が法人である場合にあってはその役員。)、上司、同僚に限らず、取引先等の他の事業主又はその雇用する労働者、顧客、患者又はその家族、学校における生徒等もなり得ることが規定された。


② 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容について、「職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応」として、セクシュアルハラスメントに係る性的な言動の行為者が他の事業主が雇用する労働者又は他の事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)である場合には、必要に応じて、他の事業主に事実関係の確認への協力を求めることや、他の事業主に再発防止に向けた措置へ協力を求めることも含まれるが規定された。


③「他の事業主の講ずる雇用管理上の措置の実施に関する協力」として、事業主は、当該事業主が雇用する労働者又は当該事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)による他の事業主の雇用する労働者に対する職場におけるセクシュアルハラスメントに関し、 他の事業主から、事実関係の確認等の雇用管理上の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めなければならない。また、事業主が、他の事業主から雇用管理上の措置への協力を求められたことを理由として、当該事業主に対し、当該事業主との契約を解除する等の不利益な取扱いを行うことは望ましくないものであることが追加された。


④その他、所要の改正が行われた。


2 事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(いわゆる妊娠、出産等に関するハラスメント防止のための指針)の一部改正


①職場における妊娠、出産等に関するハラスメントの発生の原因や背景には、妊娠、出産等に関する否定的な言動が頻繁に行われるなど制度等の利用又は制度等の利用の請求等をしにくい職場風土や、制度等の利用ができることの職場における周知が不十分であることなどもあると考えられるため、これらを解消していくことが職場における妊娠、出産等に関するハラスメントの防止の効果を高める上で重要であることに留意することが必要とされているが、ここでいう「妊娠、出産等に関する否定的な言動」には、「不妊治療に対する否定的な言動」も含めることが明記された。

②その他、所要の改正が行われた。

これらの指針は、令和2年6月1日から適用

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