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2024.01.15
改正雇用保険法等法律案要綱で示された雇用保険適用拡大などの方向性

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改正雇用保険法等法律案要綱で示された雇用保険適用拡大などの方向性

改正雇用保険法等法律案要綱

今月26日に通常国会が召集されますが、ここで議論される改正雇用保険法の概要が見えてきました。本日は、2024年1月12日に開催された第202回労働政策審議会職業安定分科会で示された「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」から今後の雇用保険法の改正のポイントについて取り上げましょう。
 
 今回の雇用保険法改正のポイントは以下のようになっています。

(1)雇用保険の適用対象者の範囲の拡大(2028年10月1日施行)
一週間の所定労働時間が10時間未満である者について、雇用保険法の適用除外とする。
基本手当の被保険者期間の計算に当たっては、賃金の支払の基礎となった日数が6日以上であるもの又は賃金の支払の基礎となった時間数が40時間以上であるものを1か月として計算する。
基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の下限額を1,230円とする。
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合の基本手当の減額等に関する規定を削除する。

(2)基本手当の給付制限の見直し(2025年4月1日施行)
雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な教育訓練を受ける受給資格者(正当な理由がなく自己の都合によって退職した者に限る。)にあっては、当該教育訓練を受ける日以降(離職日前1年以内に当該教育訓練を受けたことがある者にあっては、待期期間の満了後)、失業している日について、基本手当を支給する。

(3)就業促進手当の改正(2025年4月1日施行)
職業に就いた受給資格者(安定した職業に就いた者を除く。)であって、基本手当の支給残日数が所定給付日数の1/3以上かつ45日以上であるものに対して支給される就業促進手当を廃止する。
安定した職業に就き就業促進手当の支給を受けた者であって、同一の事業主の適用事業にその職業に就いた日から引き続いて6か月以上雇用される者のうち一定の要件を満たした者に対して支給される就業促進手当の支給限度額を、基本手当日額に基本手当の支給残日数に相当する日数に2/10を乗じて得た数を乗じて得た額とする。

(4)教育訓練給付の改正
教育訓練給付は、教育訓練給付金及び教育訓練休暇給付金とすること。(2025年10月1日施行)
教育訓練給付金の額について、一般被保険者又は一般被保険者であった者が教育訓練の受講のために支払った費用の額に20/100以上80/100以下の範囲内において厚生労働省令で定める率を乗じて得た額とする。(2024年10月1日施行)
※専門実践教育訓練給付金の給付率について、教育訓練修了後、資格取得等し、当該教育訓練受講前に比して賃金が5パーセント以上上昇した場合は80/100とし、特定一般教育訓練給付金の給付率について、教育訓練修了後、資格取得等した場合は50/100とされる予定(省令)。
一般被保険者が、職業に関する教育訓練を受けるための休暇(教育訓練休暇)を取得した場合に、当該教育訓練休暇を開始した日から起算して1年内の教育訓練休暇を取得している日について、当該一般被保険者を受給資格者と、休暇開始日の前日を受給資格に係る離職の日とみなした場合に支給されることとなる基本手当の日額に相当する額の教育訓練休暇給付金を、特定受給資格者以外の受給資格者に対する所定給付日数に相当する日数分を限度として、支給する。(2025年10月1日施行)
教育訓練支援給付金の額について、賃金日額に50/100から80/100までの範囲で厚生労働省令で定める率を乗じて得た金額に60/100を乗じて得た額とするとともに、令和9年3月31日以前に教育訓練を開始した者に対して支給する。

 今年10月に教育訓練給付の拡充、そして来春には基本手当の給付制限の見直しなど給付の仕組みの見直しが行われる見込みとなっています。一方、注目の雇用保険の適用対象者の範囲の10時間基準への拡大は様々な準備も必要になることから2028年10月1日施行とされています。

 今後も細かい改正がいろいろと行われることになりますので、法改正の動向については注目していきましょう。

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