つながらない権利
デジタルデバイスの普及、そしてコロナ以降のテレワークの増加により、「つながらない権利」についての関心が高まっています。つながらない権利とは、勤務時間外に、仕事上のメールや電話への対応を労働者が拒否することのできる権利のことを言いますが、このテーマについて連合が調査結果を公表しましたので、今回はそのポイントを取り上げます。
(1)勤務時間外における仕事の連絡の有無
現在、勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくることはどのくらいあるかという設問については以下の状況となっています。
連絡がくることがある 72.4%
ほぼ毎日 10.4%
週に2~3日 14.3%
月に2~3日 12.1%
月に1日以下 17.9%
連絡がくることはない 27.6%
(2)勤務時間外における取引先からの業務上の連絡の有無
現在、勤務時間外に取引先から業務上の連絡がくることはどのくらいあるかという設問への回答は以下のとおり。
連絡がくることがある 44.2%
連絡がくることはない 55.8%
(3)勤務時間外の業務上の連絡とストレスとの関係
勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくるとストレスを感じるかという設問への回答は以下の通り。
感じる 62.2%
感じない 37.8%
また、勤務時間外に部下・同僚・上司からきた業務上の連絡の内容を確認しないと、内容が気になってストレスを感じるかについては以下の通り。
感じる 60.7%
感じない 39.3%
(4)自身の職場における「勤務時間外の取引先との連絡(業務上の連絡)」についてのルールの有無
ある 19.9%
ない 45.8%
わからない 34.4%
なお、テレワークの可否別にみると、「ある」と回答した人の割合は、テレワークができる人では30.2%と、テレワークができない人(9.0%)と比べて21.2ポイント高くなっています。
(5)「つながらない権利」によって勤務時間外の連絡を拒否できるのであれば、そうしたいか
非常にそう思う 29.2%
ややそう思う 43.4%
あまりそう思わない 21.5%
まったくそう思わない 5.9%
このように、「つながらない権利」によって勤務時間外の連絡を拒否できるのであれば、そうしたいと思うという回答は合計で72.6%となっています。柔軟な働き方が増加する中で、今後、つながらない権利についての議論は進んでいくことになるでしょう。