仕事と育児等の両立の制度変更について、報告書が公開されました。
今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会
仕事と育児・介護の両立に係る現状には課題あり、厚生労働省は2023年度に入ってから「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」を開催し、現状の分析や論点整理を行い、今後のあり方の検討を進めてきました。この第8回の研究会資料として「報告書(案)」が公開されていますので、案の状況ではあるものの、その報告書(案)骨子を確認しておきます。
報告内容
報告書(案)では、現状の課題と基本的な考え方を整理した上で、具体的な対応方針として以下の内容を考え方を整理した上で、対応の具体的措置として示しています。
1.子の年齢に応じた両立支援に対するニーズへの対応
(1)子が3歳になるまでの両立支援の拡充
(2)子が3歳以降小学校就学前までの両立支援の拡充
(3)子の看護休暇制度の見直し
2.仕事と育児の両立支援制度の活用促進
(1)制度の活用をサポートする企業や周囲の労働者に対する支援
(2)育児休業取得状況の公表や取得率の目標設定について
3.次世代育成支援に向けた職場環境の整備
4.介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の周知の強化等
(1)仕事と介護の両立支援制度の情報提供や、制度を利用しやすい雇用環境
の整備の在り方
(2)介護休業
(3)介護期の働き方(介護休暇や短時間勤務等の選択的措置義務、テレワークの在り方等)
5.障害児等を育てる親等、個別のニーズに配慮した両立支援について
6.仕事と育児・介護との両立支援に当たって必要な環境整備
(1)プライバシーへの配慮
(2)心身の健康への配慮
(3)有期雇用労働者の育児休業取得等の促進
全体を確認すると、コロナ禍において進んだテレワークを育児や介護との両立における方策の一つとして活用するといった柔軟な働き方ができるように企業に制度整備を求め、また、子の看護休暇は小学校3年生修了までの引上げといった内容が盛り込まれています。
今後は正式な報告書として公開され、実際に必要な法改正を想定した審議が始まるかと思います。継続して注目していきましょう。